4Kも240Hzもこれ1台。BenQハイエンドプロジェクター「X3100i」で映画もゲームも最高の体験に

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自宅を一瞬でミニシアターに変えてしまうプロジェクター。テレビ顔まけの高画質投影ができる家庭用モデルが普及した昨今は、一家に一台のエンタメデバイスとして一気に浸透した感があります。

かくいう我が家も、映画にテレビ番組、スポーツ観戦、音楽…全部リビングに設置したプロジェクター一台で楽しんでます。(壁一面投影サイコー!)

でも、せっかくプロジェクターを導入するなら、ゲームだって大画面でプレイしたいですよね?

とはいえ、動きの速いFPSや、スポーツゲームを快適にプレイするには、プロジェクター側にそれ相応のリフレッシュレート、応答速度が必要になるので、やはりゲーミングモニターは手放せない・・。

そんな中、DLPプロジェクターメーカーとして世界トップシェアのBenQから登場したのが、ゲームプレイ特化型の4Kハイエンドゲーミングプロジェクター「X3100i」。

今回はメーカーより実機をお借りできたので、X3100iを実際に1週間ほど使用してみた感想、投影性能、音響面などじっくりレポートしていきます。

目次

BenQ X3100iの外観と基本性能

ZOWIEやMOBIUZなどゲーミングモニターのイメージが強い一方で、実はDLPプロジェクターというカテゴリで10年以上世界トップシェアメーカーであるBenQ。

今回、ゲーミングライン「Xシリーズ」からハイエンドモデルとして登場した「X3100i」。以下は主なスペックです。

製品名BenQ X3100i
解像度4K UHD (3840 x 2160)
明るさ3300 ANSIルーメン(LED光源)
色域DCI-P3 (100%)
フォーカス調整手動(本体レバー)
台形補正垂直(自動)水平(手動)± 30度
投写サイズ60~180インチ
サイズ(W x H x D)272 x 213 x 259.4mm
重さ約6.8kg
入出力端子・HDMI x2
・12V Trigger
・USB-A
・SPDIF
・RS-232
・Audio Out
スピーカー5W x2 (チャンバースピーカー)
応答速度・16.67ms: 4K/60Hz動作時
・16.67ms: 1080p/60Hz 動作時
・8.3ms: 1080p/120Hz動作時
・4.2ms:1080p/240Hz動作時
※240Hz入力時の最大解像度はフルHDまで

内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、リモコン、Android TVドングル、高さ調整用スタンド。ホワイト基調の本体カラーに合わせて、ケーブルやスタンドも同系色で統一されているのが地味にうれしいポイント。

付属品一覧

  • X3100i本体
  • Android TVのドングル
  • 電源ケーブル(1.5m)
  • リモコン
  • 単4電池×2
  • クイックスタートガイド
  • 説明書
  • 製品保証書

いわゆる一般的なプロジェクター形状とは違い、角の取れたキューブ型が特徴的な本体外観。フロントのアクリルコーティングも相まって高級感が凄まじい・・

サイズは横272x高さ207x奥行き259mmと、スペックに対してコンパクトサイズにまとまっています。重量(6.8kg)含め、筐体はほぼ前モデルのX3000iから据え置きです。

左側面には操作ボタン類。

ここからメニュー画面の操作やカーソル移動などひと通りできますが、もちろんリモコン操作にも対応。以前レビューした「HT3550i」はプロジェクター用のリモコンとAndroid用リモコンの2つ付属していましたが、X3100iは一つのリモコンで全操作が完結します。

操作ボタン横には、焦点を調整できるフォーカスレバーとズームレバー。

家庭用プロジェクターでズーム機能(約1.3倍)が付いているものはめずらしく、投影距離が満足に確保できない環境下でもレバーひとつで画面拡張できるのが便利なところ。

また、前モデルにはなかった機能として「レンズシフト」を搭載しています。レバーの回転で直感的に上下の位置調整ができるので、1.3倍ズームと組み合わせることでかなり自由度高く投影位置をカスタマイズできます。

底面フロントにはスクリュータイプの足が2つ。それぞれ回転させることで、高さと角度を物理的に調整することもできます。

背面には、各種インターフェース。

  • HDMI 2.0 ×2
  • 12V Trigger
  • USB-A
  • SPDIF
  • RS-232
  • Audio Out

HDMIは4K HDRに対応しており、HDR対応コンテンツならより高精細な映像美を楽しむことができます。12VDCトリガーやSPDIFから音響機器など繋いでホームシアター構築も可能です。

オーディオ周りは、5W+5WのtreVoloステレオスピーカーを搭載。

TK700STiなど従来機はモノラル構成でしたが、フルレンジ型に刷新されたことでより立体表現が豊かになっています。(音質については後述。)

BenQ X3100iを使ってみる

というわけで、六畳書斎の白背景にドカーンと投影してみました。約1週間BenQ X3100iを堪能したので、良かった点、気になる点などまとめていきます。

どこまでも明るく、高精細な映像

明るさ3300ANSIルーメン、3840 × 2160の4K UHD(ウルトラHD)の高画質と、現行の家庭用プロジェクターとしては最高クラスの投影性能を誇るBenQ X3100i。

4Kで超高精細なのはもちろん、昼ごろの比較的明るい時間帯でも充分視認できるくらいの明るさです。夕方以降の暗い環境なら、こんな感じで液晶テレビと比べてもまったく見劣りしない鮮明な映像を大画面投影できます。

明かりを消した暗い室内だとむしろ眩しすぎるくらい明るいので、家族で長時間見るときなんかは光源をECOモードに設定してあえて輝度を落として視聴するほど。輝度や色温度は、手動で微調整することもできます。

輝度だけでなく、コントラスト比(600,000:1)の値が桁違いのX3100i。白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、パキッとメリハリの効いた色味で細部まで滲みなく投影できます。

また、ゲーミングモデルながらレーザー光源ではなくLED光源を採用しているのもX3100iの特徴。目に優しいだけでなく、省エネ駆動のため動作音もとても静かです。

これだけの投影性能なので冷却ファンの稼働音はそれなりに鳴りますが、いざ動画を見始めてしまえば動作音はほとんど気にならないですね。停止して初めてファンが回ってるな〜という音がわかるくらい。

フルHDなら240Hzかつ応答速度4.16ms出せる

そして「ゲーミングプロジェクター」である本機の最大の特徴は、プロジェクターらしからぬ脅威のゲーミングスペック

モニターと違って内部でさまざまな映像処理が必要になるプロジェクターは、本来ゲーム機からの信号を映像として出力するまでにラグが生じてしまいます。ゆえに、ゲーミングモニターのようなリフレッシュレートや応答速度を実現するのは難しいわけです。

しかし、BenQ X3100iなら解像度を1080p(フルHD)に落とすことで、なんとリフレッシュレート240Hz(ゲーム機は最大120Hz)、さらに応答速度は4.16msまで引き上げることができます。

X3100iの応答速度

  • 16.67ms: 4K/60Hz動作時
  • 16.67ms: 1080p/60Hz 動作時
  • 8.3ms: 1080p/120Hz動作時
  • 4.2ms:1080p/240Hz動作時

瞬時の操作性が求められる「VALORANT」をフルHD・高速モードに設定してプレイしてみたところ、十分な応答速度かつ低遅延で遊べました。カクつきや残像感の類は微塵も感じず、索敵も問題なく十分に楽しめるレベルです。

さすがに100インチを超えると端から端までの視線移動がキツくて長時間プレイには向かないですが、ライトユーザーがカジュアルに楽しむ分にはモニター時と比べて何の違和感もなく遊べちゃいます。

まあFPSを楽しむにしても、対人プレイよりバイオハザードみたいな対CPUのゲームの方が適しているとは思いますが、それでもプロジェクターでここまで遊べてしまうのはもう衝撃以外の何者でもないですよ。

極めつけは、4Kでオープンワールドゲームをプレイしたときの没入感…。

まるで自分がゲームの世界に飛び込んだかのような錯覚を覚えるというか、見慣れているはずのゲーム画面でも思わず見入っちゃいます。

DCI-P3 カバー率100%の圧倒的な広色域も相まって、映像も息を呑むほど美しい・・。一台でこれだけの映像体験を堪能できるなら、「30万円強」という価格も決してべらぼうに高いわけではないような気がしてきます。

6畳部屋でも120インチ超の大画面投影

映像の美しさ、ゲーミング性能だけでなく、基本的な投影性能も妥協のないBenQ X3100i。

投影サイズは最大180インチ(398.5cm x 224.1cm)対応であり、ズームレバーとの組み合わせ次第で、2mほどの短い投射距離でも100インチの大画面投影が可能です。

実際に六畳書斎の白壁にBenQ X3100iを設置して投影したところ、2m30cmの投射距離から120インチの大画面投影ができました。

最近はやりの超短焦点モデルとかではないですが、これだけ投影距離が短ければ小さめの室内でも十分大画面で投影できるかと思います。

また、台形補正(キーストーン)は垂直(タテ)方向のみ自動対応。若干のタイムラグがありますが、誤認識はなくしっかり補正してくれます。水平(ヨコ)方向も、手動で細かく位置調整できます。

このように正確に歪みを正すためのテストグリッドを表示させることもできます。

本体底面のヒンジで物理的な高さ調節もでき、各種補正機能と組み合わせることで理想のポジションで安定して投影できます。なお、三脚設置には対応していないのでそこだけ注意してください。

ちなみに、ピントを自動で調整するオートフォーカス機能は非搭載なので、ズームレバー横のフォーカスレバーから手動でのピント調整が必要になります。

モバイルタイプなど設置場所をころころ変える場合は便利なオートフォーカスですが、基本的に据え置きになる本機は最初に一回設定してしまえば後からピントをいじるってことはないのであえて省いているものと思います。

Android TV搭載、Netflixにも完全対応

付属のワイヤレスドングル(QS02)をセットすることで、最新のAndroid TVが利用できるX3100i。

Androidドングルは本体内部に収納する形で接続できるので邪魔になりません。

OS周りで何よりうれしいアップデートが、Netflixに正式対応したこと。

Netflix、従来はGoogle Play上でインストールできず、Fire TV stickを挿し込むか、ミラーリングでしか視聴できなかったんですよね。ついにホーム画面からダイレクトで見れるようになったということでNetflixユーザー大歓喜。

また、「torne mobile」や「DiXiM Play」を使うことで、レコーダーやnasneなどWi-Fi接続機器をつなげてテレビを視聴することもできます。

コンテンツに最適化できるオーディオ環境

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。

その点X3100iは、Bongiovi DPSを採用したtreVoloステレオスピーカーを搭載し音質面もこだわり抜かれています。

Bongiovi DPSとは

音の解像度、臨場感、ステレオフィールドイメージングの強化により、没入感のあるシネマティックオーディオを実現するための特許取得済みのオーディオ処理。

低域から高域まで解像感が高いことにくわえ、本体を自分の前に置いて投影しても音像が後方向にある感じというとか、ちゃんと映画館に近いような立体感が感じられるんですよ。プロジェクターを立ち上げた際のAndroidのセットアップ中のBGMですでに「あ、違うわ」となりました。

サウンドモードのプリセットも、シネマ/音楽/ゲーム/スポーツ/レーシング/カスタムと6種類収録されており、視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化できるのも特徴。

RPGをするときには立体表現が豊かなシネマモードスポーツゲームをするときはスタジアム中の歓声や反響が際立つスポーツモード、といった具合にゲームプレイ時も音響を最適化できます。いろいろ組み合わせて遊んでみた結果、個人的にはやはり「4K、シネマサウンドでオープンワールドゲーム」がこのプロジェクターの良さを最大限引き出せるなと感じました。

プロジェクターでゲームを楽しむならBenQ X3100i

壁一面の大画面でオープンワールドゲームの世界に飛び込むもよし、ガッツリFPSやアクションゲームを遊ぶもよし、もちろん映画鑑賞もこれ以上ない高画質で楽しめる。そんなオールインワンプロジェクターBenQ X3100i。

この1週間、X3100iにどっぷりのめり込んでいた筆者ですが、これからのゲームの遊び方、動画コンテンツの視聴に革命を起こすんじゃないかとさえ感じるほど。

目玉のゲーミング性能はもとより、日中でも楽しめる高輝度かつ精細な映像、迫力のサウンド、さらにはNetflix公式収録のAndroid内蔵と、多様化するユーザーの要望をまとめてカバーする一台となっています。新しいプロジェクターライフを模索している方は、ぜひBenQ X3100iを検討してみてはいかがでしょうか。

4K短焦点モデル

4K短焦点ポータブルモデル

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AUTHOR

1990年生まれ 大阪府出身ブロガー。
ワークスペースのモノ・コト、ガジェットを使いこなすための「ヒント」を発信するブログ『LOPYLOG』運営。

Yahoo!ニュース、ライフハッカー[日本版]などでもガジェットライターとして活動してます。

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