Anker史上最強ノイキャンの実力は?「Soundcore Liberty 4 NC」レビュー

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昨年Ankerから登場した“コスパ最強イヤホン”ことSoundcore Liberty 4。当面のコスパ王はこれで決定かと思いきや、なんと1年待たずして後継機「Soundcore Liberty 4 NC」が発売されました。

前モデルのベースはそのままに、遮音性能、低域の音圧、バッテリー面など多方面に進化。ことノイズキャンセリング性能に関してはSoundcoreシリーズ随一の完成度に仕上がってます。

今回はAnkerさんよりレビュー機会をいただいたので、前モデルのSoundcore Liberty 4とも比較しつつ実際に使ってみた感想を紹介していきます。

目次

Anker Soundcore Liberty 4 NC

2023年7月26日にAnkerから発売された新型完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty 4 NC」。基本スペックは以下の通りです。

Liberty 4 NCLiberty 4
接続方式Bluetooth 5.3Bluetooth 5.3
対応コーデックSBC / AAC / LDACSBC / AAC / LDAC
重量(イヤホン / ケース込み)約10g / 約60g約12g / 約55g
再生時間
(上)イヤホン
(下)ケース込み
最大10時間(ANCで8時間)
最大50時間(ANCで40時間)
最大9時間(ANCで7時間)
最大28時間(ANCで24時間)
ドライバー11mmダイナミックドライバー9.2mmダイナミックドライバー
6mmダイナミックドライバー
充電方式USB-C / ワイヤレスUSB-C / ワイヤレス
操作方法タッチ式プレスコントロール式
装着検出機能
ANCウルトラノイズキャンセリング3.0ウルトラノイズキャンセリング2.0
外音取り込み
専用アプリ
マルチポイント
防水規格IPX4IPX4
価格12,990円14,990円

主だった変更点にマーカーを引いてみました。
ベースは引き継ぎつつも、機能と価格を少し削ぎ落として、最新のANC規格「ウルトラノイズキャンセリング3.0」に対応。後でじっくり触れますが、同シリーズ最強はもとよりAirPods Pro(第二世代)に迫る強力な遮音性を実現しています。

音質がそこそこ良くて、ノイキャンはしっかり、かつ価格は1万円強で抑えたい」みたいなニーズにはドンピシャの選択肢になるであろうSoundcore Liberty 4 NC。ではでは、実機を使って前モデルとも比較しながら使用感をチェックしていきます。

パッケージ内容・本体の外観

まずは付属品。

イヤホン本体と充電用のUSB Type-C to Cケーブル、イヤーピースは装着済みのものを含め、4種類(XS / S / M / L)付属します。

ころんと丸みのあるスクエア型が特徴の充電ケース。同シリーズ全般そうですが、全面艶のあるマットコーティングで価格に見合わない上質感があるんですよね。

←Liberty 4 NC  Liberty 4→

筐体のデザインやサイズ感は前モデルから大きく変わりませんが、スライド開閉だった前作に対して、上下に開閉するスタイルに刷新されたのは大きな変更点。

←Liberty 4 NC  Liberty 4→

バッテリー性能は、イヤホン単体で最大10時間(ANCオンで8時間)、ケースふくめ最大50時間(ANCオンで40時間)と、ANCオフ状態でも30時間持たなかった前モデルから大幅に向上。

付属の充電ケーブルを使ってType-C充電できますし、もちろん今作もワイヤレス充電に対応しています。また、Anker PowerPort III Nano 20Wなどの急速充電器と組み合わせることで、10分の充電で4時間再生も可能。

イヤホン本体は、お馴染みのアンテナが下部に伸びるスティック型を採用。前モデルと比べると、ステムの長さが僅かに伸びてるのがわかりますね。装着感については後述しますが、軸が伸びたことでより安定した着け心地になっています。

←Liberty 4 NC  Liberty 4→

また、イヤホンはIPX4の防水規格に対応してるので、雨や汗にも強いです。これを着けてジムで音楽聴きながらランニングして、そのままシャワーを浴びるみたいな使い方もできます。

実際に使ってみて

Soundcore史上最高の装着感

これまでのSoundcore製品と比べても耳への収まりが特に良く、安定した着け心地のSoundcore Liberty 4 NC。隙間なく耳内にフィットし、側圧も前モデルに比べてやさしくなった印象です。耳にねじ込む感じではなく、そっと耳の中に置くような感覚で安定して装着でき、作業時や移動中など2、3時間つけっぱなしの環境でも痛みや不快感なく使えました。

着け心地としては同タイプのスティック型であるAirPods Pro(第二世代)に近いものがあり、グリップ感も良好。つよく首を振っても耳から落ちる気配はまったくないので、ジョギングなどのハードめのワークアウトにも問題なく使用できます。

AirPods Pro(第二世代)に迫るノイキャン性能

製品名に「NC」と付く通り、最新の「ウルトラノイズキャンセリング3.0」に対応した今モデル。”同シリーズ史上最強のノイズキャンセリング性能”という定評どおり飛躍的に遮音性が向上しています。

実際に1週間ほど屋外で使ってみて、体感-50dbくらいあるなという印象。車や電車の走行音はもちろん、Liberty 4では打ち消しきれなかった風切り音や人の話し声みたいな高めのノイズまで、しっかりかき消してくれます。AirPods Pro(第二世代)のような完全な静寂とはいかずとも、Liberty 4から少なくとも体感2倍は向上したかな?といった感じ。1万円クラスでは間違いなくトップクラスですし、いよいよAirPods Proにも肉薄していますね。

反面、ノイズキャンセリング特有の耳が詰まるよう感覚は、より強い傾向に。どうしても遮音性とのトレードオフになる部分ですが、このノイキャン独特の閉塞感がニガテという人はよりバランス型のLiberty 4がしっくり来るかもしれません。

外音取り込についても、他のSoundcore製品と比べて自然で聞き取りやすいです。音楽を止めれば何ら違和感なく会話ができるレベルですし、BGMを小音量で流していても周囲の音は明瞭に聞き取れます。AirPods Proと比べてしまうと流石にこもり感は気になりますが、Liberty 4同様かなり実用的に使えました。

Liberty 4と音質比較

音質面では、Liberty 4がダイナミックドライバーを2基搭載しているのに対し、Liberty 4 NCは11mm径ダイナミックドライバー1基だけというシンプルな構造であるものの、低域の量感はLiberty 4 NCが圧倒的で、ベースラインやバスドラムも「ズンッ」と芯で響くパワフルさがあります。

ただ全体的な音のクリアさや解像度感はというと、ドライバー数の多いLiberty 4がやはり優れている印象。低音の量感が増したのは良いんですが、デフォルトだとLiberty 4に比べてややボーカルがうもれる感じが気になるのでアプリのイコライザー(8バンドのカスタムEQ)を↓のようにいじってます。

3Dオーディオの立体感や音場の広さ含め1万円クラスでは抜けていることに違いはないですが、ノイキャンをさほど重視せず音質に特化するなら正直Liberty 4の方をおすすめしたいですね。逆に、低音(とノイキャン)に比重をおくなら同価格帯の中では「Liberty 4 NC一択」と言い切れるくらいの完成度だと感じました。

マルチポイント(デュアル接続)に対応

Anker Soundcore Liberty 4 NCは、前モデル同様2台同時接続のマルチポイントに対応しています。

マルチポイントってなんぞ?という方のために説明しておくと、
例えば、スマホとタブレットの2台でそれぞれペアリングしておきます。

スマホで音楽を聴いていて、タブレットでNetflixを見たいとなったら、そのままタブレット側で再生ボタンを押せば自動で切り替わってくれるというもの。

一つの端末でゴリゴリ使う人には関係のない話ですが、複数デバイスで併用する際にわざわざBluetoothの設定画面を開く必要がなくなるマルチポイントは今や必須機能ですよね。

ただし、前モデル同様LDACとの併用ができないのは泣き所。Appleデバイスの組み合わせなら関係ないですが、Androidスマホとの組み合わせだと、LDACかマルチポイントどっちを選ぶか??っていう選択肢を迫られることになります。

タッチ操作の感度は良好。だけど・・

Soundcore Liberty 4 NCは、イヤホン本体のタッチ操作に対応しています。

操作LR
再生/停止1タップ1タップ
曲送り2タップ
曲戻し2タップ
ANC / 外音取り込み長押し長押し
受話着信中に2タップ着信中に2タップ
通話拒否着信中に長押し(2秒)着信中に長押し(2秒)
通話終了通話中に長押し(2秒)通話中に長押し(2秒)

ちなみに初期設定では「3タップ」に何も割り当てられていませんが、アプリから3タップ含めすべての操作を好きにカスタマイズできます。

アプリ画面のカスタマイズでは「1タップ」「2タップ」「3タップ」「長押し」の4つのアクションに各操作が登録できます。Liberty 4にはなかった「長押し」が追加されてより柔軟なカスタマイズが可能に。

一方で、感圧センサーを内蔵していたLiberty 4は、AirPods Proでお馴染みのスティック部分をつまんで操作する「プレスコントロール」が可能でしたが、Liberty 4 NCは非対応なので、これら機種から乗り換える場合はタッチ操作が煩わしく感じるかも。

反応速度や操作性自体は良好なので慣れさえすればいいんですが、せっかくLiberty 4よりステムが長くなったのにプレスコントロールが不可になったのはちょっと残念。

“これで良いじゃん”の再来

もともと同価格帯の中で完成度がずば抜けていたSoundcore Liberty 4から、ノイズキャンセリング、バッテリー面などさらに進化を遂げ、価格も抑えられているSoundcore Liberty 4 NC。昨年末にLiberty 4を手に取った際は「これで良いじゃん」と唸りましたが、いざノイズキャンはじめ性能が強化されたLiberty 4 NCを手に取った今、たちまち「これで良いじゃん」がアップデートされました・・。

1万円前後で今一番高コスパなイヤホンを探している、ワンランク上のノイキャンを体感したい、といった方はぜひSoundcore Liberty 4 NCを選択肢に入れてみてください。

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AUTHOR

1990年生まれ、大阪府出身ブロガー。ワークスペースのモノ・コト、ガジェットを使いこなすための「ヒント」を発信するブログ『LOPYLOG』運営。

Yahoo!ニュース、ライフハッカー[日本版]などでもガジェットライターとして活動してます。

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