どうも、書斎がイヤホンで溢れかえっているロピログ(@LOPYLOG)です。

今回は、SIMGOTから販売されている3BAイヤホン「EK3」をレビューしていきます。
3基のバランスド・アーマチュアドライバーを搭載したIEM型イヤホン「EK3」。2019年の発売からすでに2年が経過した今でも、マルチBAイヤホンとして評判の高い定番モデルです。また、イヤホン本体のDIPスイッチで4種類のチューニング切替ができる点も特徴。

今回は、そんなEK3を2週間じっくり使ってみたので、実際に聴いてみて期待以上だったこと、期待を上回らなかったことなど詳しく感想をまとめていきたいと思います。
SIMGOT EK3の概要と開封レビュー
「EK3」は、SIMGOT社が手がけるインイヤータイプの3BA搭載イヤホンです。

製品名 | EK3 |
カラー | クリア、クリアブラック |
ドライバー | バランスドアーマチュア型(BA×3 3Way) |
再生周波数帯域 | 20~40000Hz |
インピーダンス | 14-18Ω(スイッチにより可変) |
コード | 0.78mm 2-pin OCC&SPC混合ケーブル |
加工方法&材料 | 3Dプリント|ドイツ製医療用レジン |
価格 | 33,065円(税込) |
シンプルなパッケージが特徴のSIMGOTですが、中でもEK3はシックで洗練されたパッケージ。ではでは開封していきます!

内箱を引き出すと、EK3本体とレザーケースが綺麗に収納されて出てきました。

内容物は、イヤホン本体、レザーケース、チューニングブラシ、0.78mm 2pin OCC&SPC混合ケーブル、イヤーピース2種3サイズ(高域強調型&バランス型)、取扱説明書・保証書となっています。

ケーブルは、OCC(単結晶銅線)とSPC(銀メッキ銅線)のミックス線タイプ。4芯タイプの撚り線で、取り回しの面でも使いやすいです。

イヤーチップには、高域強調型(Eartip I)とバランス型(Eartip II)の2種類がそれぞれ3サイズずつ付属。開口部の広いEartip Iは、より中高域メインの高解像度タイプとなっています。最初からイヤーチップが豊富に付属するのはSIMGOTイヤホンならではですね。

そして、レザーのハードケースが付属するのもSIMGOT製品お馴染み。ボックスタイプの開閉式で、質感、耐久ともに高品質。”耐圧”と記載されているだけあってかなり頑丈です。

また、ケース内には付属ブラスを収納するためのメッシュポケットをそなえます。このブラシの柄の先端でチューニングスイッチを操作するので、イヤホンとセットで収納しておけるのは嬉しいですね。

こちらがSIMGOT EK3イヤホン本体。レジンのクリアシェルは3Dプリンターでデジタルモデリングされており、透明感と耐久性をかねているとのこと。内蔵ドライバーは、Knowles製の「TWFK-30017」(2BA)と「CI-22955」(1BA)各1基ずつの3BA構成となっています。

6角形の模様がデザインされたフェイスプレートも美しいですね。ハニカム構造のデザインパターンは、シェルの内側に形成されています。

また、シェル上部に2つのDIPスイッチをそなえるのもEK3の大きな特徴。

それぞれON/OFFを切り替えることで、以下の4種類のチューニングモードを選択できます。1つのイヤホンでこれだけのパターンが楽しめるのはもとより、文字どおりシェル本体からスイッチ切替えできるのはユニークな設計ですね。

- エアリー:空気感を重視した高域がやや強調された音
- ボーカル:中域を強調したいわゆるかまぼこ型に近い音
- ピュアトーン:低域・高域共に強調したオールマイティな音
- バランス:低域を強調して高域の歯擦音をやや抑え気味にした音
SIMGOT EK3の使用感レビュー
SIMGOT EK3の装着感
以前レビューしたMT3 PROからさらにシェルが耳の窪みにフィットする形状になっていて、装着感はとても良好です。イヤーフックで耳掛けすれば、イヤホンと耳が一体になっているようなフィット感で長時間でも快適に使用できます。

装着性と相まって、パッシブの遮音性もまずまず。ややストロークが長いバランス型イヤーピース(Eartip II)をつけることで、さらにフィット感と遮音性が向上しました。

SIMGOT EK3の音質
SONY NW-A105に接続して、ハイレゾ楽曲、Amazon Music HD、Apple Musicを使って2週間みっちり聴き込んでみました。

一聴した感想は、マルチBAの割にスッキリしていて、音源をありのまま再現したようなモニターライクな音といった印象です。
低音も底からズンズン響くというよりは、タイトにキレ良く弾む感じ。かといって量感の物足りなさもなく、長時間でも聴き疲れしないチューニングが個人的には好みですね。DIPスイッチで低域重視のモードにすることで多少厚みが増すので、ロックやEDMを聴くときはバランスモードに入れてます。
特に解像度が高いのは中高域。音のエッジも滑らかで、楽器一つ一つの音が立体的に感じられ心地良いです。
ボーカルがしっかり前に出る感じもあり、特に女声ボーカルの音はクリアに響くのでめちゃくちゃ没入できます。中高域の艶やかさとボーカル表現で高い評価を受けているSIMGOTならではの音色といった感じですね。サウンドチューニングでより自分の好みの音に微調整できる点も含めて、これ一台で深く長く楽しめるイヤホンだなと思います。
チューニング切替よりイヤーピースによる変化が大きい
4種類のチューニング切替と、2種類のイヤーピースを組み合わせた”全8パターン”を一聴した感想ですが、チューニング切替よりイヤーピースによる変化の方がより大きい印象です。

なので、まず好みのイヤーピースを選んでから、チューニング切替で微調整していくといった使い方がしっくりきます。
例えば、高域強調型(Eartip I)を付けた上で、高域重視のエアリーモードにすると中高音がキンキン尖り気味になりますが、Eartip Iでピュアトーンやバランスモードに切り替えれば絶妙なバランスが作れます。
ちなみに僕は、Eartip Iで中高域の解像度を上げて、チューニングをバランスモードにしてボーカルや弦楽器などの歯擦音を抑えています。ポップス、クラシック、EDMとどのジャンルでも聴きやすいので、楽曲ごとにころころカスタムするのが面倒な場合はEartip Iとバランスモードの組み合わせが個人的におすすめです。

SIMGOT EK3レビュー:まとめ

改めて、SIMGOT EK3の特徴をまとめると…
SIMGOTの3BAイヤホン「EK3」のレビューでした。価格3万円超と中華イヤホンとしては比較的高級モデルですが、それに見合うだけの体験が得られるイヤホンとなっています。何より、ハードウェアチューニングで好みの音を微調整できる仕様は最高なので、気になった人はぜひチェックしてみてください。
