【最高傑作】ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wirelessレビュー|前モデルやWH-1000XM5とも比較!

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ドイツの名門オーディオメーカー「SENNHEISER(ゼンハイザー)」から、3年ぶりに待望のノイズキャンセリングヘッドホン「MOMENTUM 4 Wireless」が発売されました。

先代モデルからデザインが大幅に刷新され、リリーズ前からかなり話題になっていた新モデル。

先日紹介した完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」同様に、DAC・ANCチップとBluetoothチップを独立させた2チップ構成を採用し、ノイズキャンセリング、音質両面で大幅にアップデートされています。

今回は、ゼンハイザーより先行で2週間ほどお試しさせていただいたので、そんなMOMENTUM 4 Wirelessを使った感想、音質など詳しくレビューしていきます。

前モデル「MOMENTUM 3」、ライバル機の 「WH-1000XM5」とも比較しているので、買い替え検討中の方もぜひ参考にしていただけますと幸いです!

目次

MOMENTUM 4 Wirelessの外観と基本性能

MOMENTUM 4 Wireless」は、老舗オーディオ機器メーカー「SENNHEISER(ゼンハイザー)」から2022年8月23日に発売されたANC搭載の完全ワイヤレスヘッドホンです。

製品名Sennheiser MOMENTUM 4 Wireless
Bluetooth規格Bluetooth 5.2 + Class 1
コーデックSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
動作時間最大60時間(iPhoneボリュームmid、ANC on)
充電時間2時間(フルチャージ)/5分(4時間動作)
タッチコントロール
マルチポイント
ノイズキャンセリング
外音取り込み機能
折りたたみ
重量約293kg
メーカー保証2年間
価格49,900円(税込)
スペック詳細

内容物は、ヘッドホン本体、専用キャリーケース、充電用USB Type-Cケーブル、有線接続用ステレオケーブル(1.2m)、航空機用アダプター、ユーザーマニュアルとなっています。

ちなみに、MOMENTUM 4はホワイトとブラックの2色展開で、ホワイトモデルが本日8月23日、ブラックモデルが8月31日とそれぞれ発売日が異なります。今回は、ホワイトを送っていただいたのでそちらを使ってレビューしていきます。

収納時に折り畳む必要がなくなった今モデル。MOMENTUM 3からケースサイズほぼ据え置きで、収納がラクになったのがまず嬉しいポイント。

左:MOMENTUM 4   右:MOMENTUM 3

本体の外観もガラッと変わったMOMENTUM 4。ヘッドバンドやイヤーカップがシンプルな構造になったことで、全体的によりスマートなデザインに刷新されています。

左:MOMENTUM 4  右:MOMENTUM 3

筐体サイズも前モデルから小型化され、WH-1000XM5と比べてもMOMENTUM 4の方がヘッド周りが若干小さいですね。

重さは前作から20gほど軽くなって約290g。約250gのXM5よりやや重いですが、装着時の体感差はほとんど感じません。

イヤーカップとヘッドバンドを繋ぐ”アーム”がなくなったMOMENTUM 4。それぞれが独立し1本の棒でくっつく形状に刷新されています。

従来のようにカップ側をスライドさせる形ではなく、関節部を伸縮させることで長さ調整が可能。XM5と同様の伸縮機構で、従来より断然スムーズに調整できるので個人的に嬉しいアップデート。

イヤーパッドには、ヴィーガンレザーを採用。シープスキンの前作に比べて弾力があり、サラサラとした肌触りで気持ちいい(装着感については後述)

ヘッドバンドには、シリコンカバークッションを採用。こちらもレザー張りだった前作から大きな変更点ですね。

外側は、同社のワイヤレスイヤホンでもお馴染みのファブリック地。汚れが目立ちにくく指紋もつかないので個人的にこの加工が気に入ってます。

右イヤーカップには、電源・ペアリングスイッチ、バッテリー残量を示すランプ、充電用USB-Cポート、有線接続用の3.5mmステレオジャックが並びます。

今回からイヤーカップのタッチコントロールに対応し、物理操作は電源のオンオフとペアリングのみ。物理ボタンが密集していた前モデルと比べると外観もかなりスッキリしていますね。

カップに物理ボタンが密集する前モデル

MOMENTUM 4 Wirelessの使用感・音質レビュー

約2週間じっくりMOMENTUM 4 Wirelessを使ってみたので、装着感や音質、実際に使用して期待以上だったこと、期待を上回らなかったことなど率直に感想をまとめていきます。

接地面が増えたことで向上した装着感

まず着け心地ですが、2週間間毎日使ってつよく感じたのは、前モデルに比べて大幅に側圧が軽減されていること。

全体的に接地面が増えたことで、頭頂部、耳元どちらも圧力がかかりすぎず、かといって緩すぎず”ちょうどいい側圧”になっている印象。重心も一部に偏ることなく均等にかかってる感じで、長い時間使えば使うほど快適さを実感します。

ノイキャン目的で半日着けっぱなしのときはさすがに締め付け感がジワジワきましたが、移動中の3〜4時間くらいならほぼストレスなく着けていられます。

バッフルに傾斜がついたことで、余裕をもって耳を覆えるのも嬉しい点。MOMENTUM 3では地味に気になっていたパッド部分が耳に擦れる感覚も軽減されているように感じました。

カップ内にゆとりがあってスッポリ耳を覆える

強化されたノイズキャンセリング

アクティブノイズキャンセリング (ANC) 性能に定評のあるMOMENTUM Wirelessシリーズですが、それら先代モデルのさらに上をいく今モデル。

同社のヘッドホンとしては初めてMEMSマイクを採用し、ノイキャン用のマイクの数自体も左右2つずつの計4基に増え、中高域のノイズカットが大幅に強化されています。

実際にしばらく屋外で使ってみましたが、MOMENTUM 3では打ち消しきれなかった風切り音や人の話し声、車の走行音などの高めの音もガッツリ遮音してくれます。

ANCの王者に君臨するXM5と比べるとさすがに純粋な遮音性はやや劣りますが、MOMENTUM 3とXM4を比較したときほどの明らかな差は感じないですね。交互にじっくり聴き比べしないとわからないくらい性能差は埋まってきています。

ノイキャンの遮音性はややWH-1000XM5が上手

XM5のような個人差を検知してノイズキャンセリングを最適化してくれるようなオート機能こそありませんが、環境に合わせて強度を自動調整してくれる「アダプティブノイズキャンセリング」には今作も対応しています。

常に強度を自動調整してくれるアダプティブノイズキャンセリング

自然でクリアな外音取り込み

いかにもマイクで拾ったような機械的な集音だった前モデルに対し、マイク数が増えたMOMENTUM 4はよりクリアかつ自然に環境音を取り込むことができます。

外音取り込みが優秀なAirPods Proなんかと比べると若干のホワイトノイズはのるものの、ノイキャン同様WH-1000XM5との差はほとんどないように感じました。

また、環境音の取り込み量をタッチ操作で簡単に調整できるようになった点も嬉しいアップデート。ノイキャンと外音取り込みの切り替え、量感の調整はイヤーカップのタッチ、ピンチで直感的に操作できます。

ピンチイン・アウトでANC・外音取込みの量感を調整


タッチ操作ではノイズキャンセリング、外音取り込み機能の量感調整が5段階までしかできないので、より細かく調整したい場合は専用アプリ「Sennheiser Smart Control」からも設定できます。

専用アプリ「Sennheiser Smart Control」

Sennheiser Smart Control

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ワイヤレス最高峰の音質

Android端末(aptx adaptive接続)、ウォークマン、iPhone 13 ProなどでBluetooth接続し、2週間MOMENTUM 4 Wirelessでじっくり音楽を聴いてみました。

同社イヤホンのフラッグシップ機「MT3」同様にDAC・ANCチップとBluetoothチップが独立し、処理を2つのチップに分散させることで音質が大幅に強化されたという今作。

まず、先代モデルと聞き比べて低域と高域に大きな違いを感じます。深く沈み込むようにズンズン響くMOMENTUM 3に対し、MOMENTUM 4は低音の量感控えめでよりタイトに弾むようなイメージ。低音に埋もれ気味だった高域もより伸びやかに響いてくれます。

そして、Bluetooth接続であることを忘れてしまうくらい、とにかく解像度が高い。aptx adaptiveで接続しWH-1000XM5LDAC接続)と聴き比べましたが、XM5では拾えなかった音がガンガン聞こえてきて衝撃を受けました…。単純な音の良さで無線ヘッドホンを選ぶなら、MOMENTUM 4一択と言っていいんじゃないでしょうか。

解像度はMOMENTUM 4の圧勝

ボーカルや楽器の音色も鮮やかで、MOMENTUM 3と比べてもずっと生っぽく、クリアに鳴らしてくれます。高域がキンキンささらず、低域が不自然に響くこともなく疲れ知らずで何時間でものめり込んじゃいます。

アングルバッフルのおかげで空間表現も豊かなMOMENTUM 4。前から音が迫ってくるような広がり方(ステレオっぽい感じ)も、MOMENTUM 3やWH-1000XM5にはない立体表現で個人的にめちゃくちゃ好みでした。

バッフルに傾斜がついて空間表現がより豊かに

前モデルを一聴したときも完全ワイヤレスでここまで鳴らせるの!?と衝撃を受けましたが、今回も期待値を超越する進化に感動してリアルに泣きそうになりましたw

非の打ちどころがないというか、音質はそれくらい完成度高いです。

便利なオートオン/オフ機能と最高水準のバッテリー

前作は、アームの開閉で電源がオンオフする仕様でしたが、今作はヘッドホンを握ると自動で電源がオンになり、使わない状態で15分放置すれば自動で電源オフになる仕様にアップデートされています。(手動でもオンオフ可)

これ、ヘッドホンスタンドなどで掛け置きする場合に、電源のオンオフが必要がなくてめちゃくちゃ楽なんですよね(これまでは物理ボタンで電源を切るか、折りたたむしかなかった)

持ち上げると自動オン・15分放置で自動オフ


また、バッテリー駆動時間はノイズキャンセリングON時で最大60時間と、最大17時間だった前作から格段に伸びています。

実はこれ、WH-1000XM5と比べても倍の充電持ち。60時間あれば1日8時間使ったとしても丸1週間持ちますし、万が一充電切れを起こしても、5分間の充電で映画2本観れる分には急速充電できるので、バッテリー周りで困ることはないですね。

ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wirelessレビュー|まとめ

ここが良い
ここが残念
  • 無線ヘッドホン最高峰の音質
  • 長時間でも快適な装着感
  • タッチコントロール対応
  • オートオンオフが便利
  • 最大60時間のロングバッテリー
  • 刷新されたデザインは好みが分かれるかも

今回は、ゼンハイザーの完全ワイヤレスヘッドホン「MOMENTUM 4 Wireless」を紹介しました。

MOMENTUM 3の一見目立たない弱点をしっかり解消した上で、音質・機能性の両面で確かな進化を感じました。

装着感、音質、ノイキャン、ハード、拡張性すべてがブラッシュアップされ、ゼンハイザーの渾身モデルといえる完成度になっています。これらすべて妥協したくない!という人は、この機会に思い切ってMOMENTUM 4を検討してみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR

1990年生まれ、大阪府出身ブロガー。ワークスペースのモノ・コト、ガジェットを使いこなすための「ヒント」を発信するブログ『LOPYLOG』運営。

Yahoo!ニュース、ライフハッカー[日本版]などでもガジェットライターとして活動してます。

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