Nothing Ear (2) レビュー|進化しすぎ…と話題のワイヤレスイヤホンの実力は?先代Ear (1)と比較。

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イギリスのロンドンに拠点を置くNothing Technologyから、完全ワイヤレスイヤホンの最新モデル「Nothing Ear (2)」が発売されました。

そのスケルトンデザインを一目見れば「あ、Nothingの端末だな」とわかる唯一無二のコンセプトに、音質、ノイズキャンセリングなども先代から進化を遂げたワイヤレスイヤホン最新作。

この記事では、そんなNothing Ear (2)の使用感や音質、前モデルEar (1)からの進化点などじっくりレポートしていきます。購入を検討している方は参考にどうぞ!

目次

Nothing Ear (2) の特徴

Nothing Technologyが2023年3月30日に発売した、アクティブノイズキャンセリング対応の完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear (2) 」。主なスペック、特徴は以下のとおりです。

製品名Nothing Ear (2)
Bluetoothバージョン5.3
コーデックAAC、SBC、LHDC
ドライバー11.6 mm カスタムドライバー
ノイズキャンセリング◯ (最大-40db)
外音取り込み機能
マルチポイント
専用アプリ
最大再生時間
※ANC ON時
本体4時間/
ケース込み22.5時間
重さイヤホン:4.5 g
ケース:51.9 g
防水イヤホン IP54 / ケース IP55
充電方式USB-C / ワイヤレス(2.5W Qi)

Nothing Ear (2) の主な特徴

  • ドライバーの刷新で音質向上
  • 先代から小型・軽量化
  • ハイレゾに対応(ただしコーデックはLHDC)
  • マルチポイントに対応(最大2台)
  • 端末価格:22,800円(税込)
わたや

では、実機を使ってNothing Ear (2)の使用感、前モデルからの変更点など確かめていきます!

同梱物と外観

まずは付属品。

箱の中身

  • Nothing Ear (2)本体
  • イヤーチップ(S・M・L)
  • USB-C to Cケーブル
  • 取扱説明書

イヤーピースは、軸が浅めのシリコンタイプがS/M(本体装着済み)/Lの3サイズ付属します。

充電用のUSBケーブルは短めのType C to Cケーブルが付属。15cmほどの短さですが、編み込みタイプの高耐久なものとなっています。

こちらがケース本体。正直見た目は先代とほとんど同じですが、例によってスケルトン好きにはたまらない基盤丸出しデザイン。カッコイイ。

ケースサイズは55.5 × 55.5 × 22 mmと、先代のEar(1)とよくよく比較してみるとしっかり小型化されていました。

▲(左)Ear (2) (右)Ear(1)

充電ポートは、汎用性の高いUSB Type-Cに対応しています。

そして、先代に引き続き嬉しいワイヤレス充電対応。

再生時間はイヤホン単体で最大6.3時間(ノイキャンON時は4時間)、ケース込みで最大36時間ノイキャンON時は22.5時間)と、TWSのごく平均的なバッテリー性能といった感じです。

ケース内のマグネットの磁力はかなり強力。イヤホンを近づけるとカチっと吸い付くように収まります。それでいてイヤホンが摘みやすいため取り出しもスムーズです。

イヤホン本体は、ブラックのスケルトン(軸部分)、ホワイト(ヘッド部分)のツートンカラー。ケース同様、筐体デザインはEar(1)から特に変更点はありません。

また、イヤホン、ケースともに防水・防塵(イヤホン IP54 / ケース IP55)に対応しているので、雨や汗にも強いです。

重量は、イヤホン左右合わせて約9g、ケース込みで約61g。

▲ Ear (2)イヤホン単体:9g
▲ Ear (2)ケース込み:61g

ケースサイズが小さくなったぶん、先代と比較するとケース込みの重量は6gほど軽量化されています。

▲ Ear (1)イヤホン単体:9g
▲ Ear (1)ケース込み:67g

Nothing Ear (2)レビュー

自然で圧迫感の少ない装着感

スティック型を採用していることもあって、イヤホン本体が耳内にフィットし安定した装着感であるEar (2)。隙間なく耳内ににハマるぶん側圧もやさしく、作業時や移動中など2〜3時間つけっぱなしでも快適でした。

付け心地はAirPods Proに近いものがあり、グリップ感も良好。つよく首を振っても耳から落ちる気配はまったくないので、ジョギングなどのハードめのワークアウトにも問題ないかと思います。

▲ヘッドの形状が近いAirPods Proと似た装着感

イヤーピースが3サイズから選べるので、耳のサイズに合わせて隙間なく密閉できる点でも没入感を高めてくれます。耳の小さい筆者はMだと少し窮屈だったので、Sに付け替えたところしっくりきました。

マイルドなノイキャンと自然な外音取り込み

イヤホン自体のパッシブの遮音性が高い一方、アクティブノイズキャンセリングの遮音性能はやや控えめなEar (2)。

車、電車の走行音といった低めの音に対する遮音性は、Ear(1)からかなり改善されていると感じますが、一方で人の話し声や風切り音のような高めのノイズカットは先代同様ニガテな印象。

キツすぎるかえって長時間使いづらいのと、移動中など完全に環境音が遮断されると都合が悪ことも多いので個人的にはちょうどいい量感で使いやすいですが、反対に「とにかく遮音性が大事!」という人には不向きかもしれません。

ちなみに、ノイズキャンセリングの強度は専用アプリからも「高」「中」「低」「アダプティブ」と選択できます。

基本的にずっと「高」にしてますが、それでも他社のハイエンドと比較すると控えめなので、大抵の人はマックスでいいと思います。

反面、外音取り込みは2万円強のイヤホンの中では出来が良い方に感じました。

Ear (1)で気になっていた「自分の声がモゴモゴこもる問題」も少なからず改善され、買い物時の店員さんとの会話や、電車に乗ってるときのアナウンスの聞き取りも先代に比べて快適になりました。

ドライバー刷新による確かな音質向上

デュアルチャンバー設計の11.6mmのダイナミックドライバーを採用するNothing Ear (2)。組み合わせる端末によって大きく音質に差が出る傾向にありますが、22,800円という価格の完全ワイヤレスイヤホンとしては音質の良い部類に入ります。

特に、これまでグラフェンのみで構成されていた振動板が「グラフェン+ポリウレタン(PU)」になったことで、低域から高域までよりクリアに表現できるようになりました。

▲ドライバーの刷新で全体域の音質が向上したEar (2)

全体的な音の傾向としては音圧が強めで、中音域~高音域をはっきりと出すシャープな音といった印象。ポリウレタンの恩恵で低域の量感もEar (1)と比べれば確かに底上げされています。

とはいえ、同傾向のAirPods Pro第2世代と比べると低域は控えめなので、Nothing Xのアプリから「低音を強調」をオンにしておくことをおすすめします。

イコライザは、「バランス」「低音を強調」「高音を強調」「音声」の4つから選択でき、「カスタム」からさらに自分好みのイコライザを生成することもできます。

▲イコライザ

また、聴力テストにより聞こえる周波数をイヤホンに把握させることで、自動的に自分に適したイコライザを生成するパーソナライゼーションもEar (2)の目玉機能のひとつ。

これにより、あらゆるジャンルの楽曲、YouTubeやプライムビデオなどの動画視聴、ゲームプレイ時のBGMなどあらゆる音に対して、自身が最も心地よく没入できるサウンドを自動調整してくれます。

便利なプレスコントロール操作

Ear (1)ではタッチセンサーだったのに対し、Ear (2)は第3世代AirPodsやAirPods Proが採用する操作方法と同様に、スティック部分をつまんで操作するプレスコントロール式にアップデートされました。

イヤホンを指で押し込む必要がない上、タッチ操作に比べて確実に操作ができるので、操作性はEar (1)からかなり改善されています。

操作方法

  • 1度押す:再生/一時停止/通話
  • 2度押す:次にスキップ/着信拒否
  • 3度押す:前にスキップ
  • 長押し:ノイズコントロール
  • 2度押して長押し:操作なし

また、これらの操作方法はアプリから好みにカスタマイズすることもできます。

マルチポイント(デュアル接続)に対応

Ear (1)では叶わなかった、2台同時接続のマルチポイントに対応したEar (2)。

マルチポイントについて説明をしておくと…
例えば、iPhoneとiPadでそれぞれペアリングしておきます。

iPhoneで音楽を聴いていて、iPadでNetflixを見たいとなったら、そのままiPad側で再生ボタンを押せばシームレスに切り替わってくれるというもの。

一つの端末でゴリゴリ使う人には関係のない話ですが、僕は常に複数デバイスとペアリングして使い分けたいのでマルチポイントにしっかり対応してくれたのはめちゃくちゃ有難いです。

ハイレゾに対応。でも・・

さらに、ハイレゾオーディオにまで対応したEar (2)。

前提としてハイレゾ音源を楽しむには、再生する端末側もイヤホン推奨のハイレゾコーデックに対応している必要があります。

が、この対応コーデックが「LHDC 5.0」と国内ではまだまったく馴染みのない規格なんですよね。

残念ながら日本で主流のLDACやaptX Adaptiveには対応しておらず、同社のNothing Phone(1)、Xiaomi 12T Proといったごく一部の端末でしかハイレゾ音源再生できないのが痛いところ…。

ですので、iPhoneやGoogle Pixelなどのスマホではハイレゾ音源を楽しむことができない点だけくれぐれも注意してください。

Nothing Ear (2) レビュー|まとめ

今回は、Nothingの最新完全ワイヤレスイヤホン『Ear (2)』の紹介でした。レビューをまとめると…

ここが良い
ここが残念
  • 所有欲を満たすスケルトンデザイン
  • ドライバー刷新で音質向上
  • マルチポイント対応
  • ハイレゾに対応(ただしコーデックはLHDC)
  • LDAC・aptX Adaptiveに非対応
  • やや心もとない電池持ち

Nothingにとってブレイクスルー的な存在だったEar (1)の良さを引き継ぎつつ、音質・操作性・ノイズキャンセリング性能の向上、マルチポイント対応などしっかり細部の改良が施されたEar (2)。

ノイキャンの性能差を除けば特徴や使用感はAppleのAirPodsシリーズに酷似しますが、39,800円と高額なAirPods Proの6割に満たない価格で入手できるNothing Ear (2)はコストパフォーマンスが高いワイヤレスイヤホンだと思いました。

デザイン性、実用性どちらも妥協したくないという方は、ぜひEar (2)をぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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AUTHOR

1990年生まれ、大阪府出身ブロガー。ワークスペースのモノ・コト、ガジェットを使いこなすための「ヒント」を発信するブログ『LOPYLOG』運営。

Yahoo!ニュース、ライフハッカー[日本版]などでもガジェットライターとして活動してます。

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